【リディアード式フェーズ5】テーパリング期:疲労を抜きながら仕上げる3週間
マラソンのトレーニングには「最後の仕上げ」とも言える、大切な期間があります。
それが、フェーズ5「テーパリング期」。
これまで積み上げてきた走力を本番で100%出し切るために、疲労を抜き、調子を整え、気持ちを高めていく──
そんな大事な3週間です。
リディアード式におけるテーパリングの考え方
リディアードは、テーパリングについて以下のように述べています。
- 大会の約3週間前から負荷を徐々に減らす。
- 走行距離は減らすが、強度(スピード)は維持する。
- 疲労を抜き、同時に神経系の刺激を残す。
つまり、「ただ休めばいい」というわけではありません。走ることは続けながら、トレーニングのボリュームを少しずつ減らしていく。これは体にとっても心にとっても、非常に繊細なバランスが求められる時期です。
かつての僕のテーパリング:型にはめた調整
以前の僕は、こんな調整をしていました。
- レース3週間前に30km走(マラソンペース)
- 2週間前に20km走
- 1週間前に10km走
もちろん悪いわけではありません。むしろ、王道ともいえる調整方法です。
ただ、この方法には「うまくハマるとき」と「疲労が抜けきらないとき」がありました。特に仕事が忙しかったり、気温や体調の影響があると、予定通りに走っても調子が上がってこない。
そんなジレンマを感じることも増えてきたんです。
今の僕のテーパリング:身体との対話を大切に
最近の僕は、「型」に頼りすぎず、こんなふうにテーパリング期を過ごすようになりました。
- 2週間前に疲労が少なく、脚にキレを感じたら思い切って30km走を実施。
- 逆に疲労が抜けていないと感じたら、20km以下のペース走で軽めに刺激を入れる。
- 1週間前、もしまだ疲労が残っていれば3000-2000-1000mのスピード練習など、短くてキレの出るメニューを。
そのときの体調、気温、仕事の疲れ……
すべてを考慮しながら「今の自分に必要な調整」を選べるようになってきたと思います。
リディアード式が教えてくれたこと
こうした「自分との対話」を大切にできるようになったのは、リディアード式のトレーニングを続けてきたからだと感じます。
リディアードの練習では、有酸素ランもインターバルも「タイムにこだわりすぎず、感覚を重視する」ことが基本です。
走りながら「今日は余裕があるな」「脚が重いな」「心拍は高めだけど動きは軽い」といった、自分の状態を観察し続ける。
その習慣が、テーパリング期においてもとても役立っています。
まとめ:仕上げは、やさしく丁寧に
マラソン3週間前からの「仕上げ」は、焦らず・慌てず・気持ちよく。
これまで積み上げたものは、急に消えることはありません。
大切なのは、それを100%出し切る準備をすること。
そのために、身体の声に耳を傾けながら、最後の3週間を「やさしく、丁寧に」過ごしていきましょう。
あなたのマラソンが、いい1日に仕上がりますように。