リディアード式マラソントレーニング入門|「期分け」で迷子にならない練習の組み立て方

トレーニング法

【ぼっち練×期分け】一人でも走力が伸びるリディアード式トレーニングの全体像

「今日は何をやればいいんだろう?」
「インターバルだけやっても、なぜか速くならない」
「練習会に行く時間がない。ひとり練習でも本当に強くなれるのか?」

そう思っている市民ランナーへ。

リディアード式の「期分け」を覚えると、ひとり練習だからこそ、走力が伸びます
やることが時期ごとに決まっている。順番が決まっている。だから、迷わない。

このページは、5つのフェーズそれぞれの実践記事へのハブです。順番に読んでもいいし、気になるフェーズから飛んでもOK。

◎こんな人におすすめ

  • 1年中インターバルばかりやっているけど、タイムが頭打ちになってきた
  • 「今日は何の練習をすればいいか」毎回迷っている
  • 練習会に行く時間がなく、ほぼ一人で練習している
  • リディアードの名前は聞いたことがあるけど、何から始めればいいか分からない

リディアード式トレーニングとは「順番」が全て

アーサー・リディアードは、オリンピックメダリストを何人も育てたニュージーランドの伝説的コーチです。

彼の理論の核心は、「土台 → スピード → 統合 → 整える」という順番にあります。

「最も優れた選手が勝つのではなく、最もよく準備された選手が勝つ」

順番がバラバラのまま1年中インターバルをやっても、土台ができていなければ走力は頭打ち。逆に、土台だけ作っても、スピード刺激がなければレースペースで走れない。

5つのフェーズを正しい順番で踏むこと──これがリディアード式の全てです。

5つのフェーズと期間

レース約6ヶ月前 ──────────── レース本番

  1. 有酸素基礎期(8〜12週)
    土台づくり。距離を踏んで毛細血管とミトコンドリアを増やす。
  2. ヒル期(4〜6週)
    坂のバウンディングで筋持久力とフォームの基礎を作る。
  3. 無酸素期(3〜4週・期間限定)
    インターバルで乳酸耐性を磨く。
  4. コーディネーション期(4〜6週)
    「鍛える」から「整える」へ移行する。
  5. テーパリング期(2〜3週)
    疲労を抜きつつ、スピード刺激は最終週まで残す。

よくある誤解:「期分け=1年中インターバル」「期分け=有酸素ばかり」ではない。フェーズごとに「やること」が明確に切り替わるのがリディアード式です。

「インターバルだけやっても伸びない」「LSDで走り込んでいるのに頭打ち」──こうしたよくある誤解を先に解いておきたい方はこちら:
リディアード理論をわかりやすく|市民ランナーがやりがちな3つの誤解と本当の意味

各フェーズの実践記事

各フェーズのキーメッセージと実践記事をまとめました。気になるフェーズから読み進めてください。

フェーズ① 有酸素基礎期:距離は資産

目安:レース 6〜3ヶ月前 / 期間 8〜12週

  • 週5〜6日、60〜120分のジョグで脚を作る
  • 「ゆっくり」だがLSDではない。会話しながら走れるペース
  • 距離を踏むほど後半の戦略が広がる

📖 フェーズ1:有酸素期の走り込み法(理論編)
🆕 ペース設定の実践(サブ3/サブ3:30/サブ4 別)

フェーズ② ヒル期:バネを作る

目安:レース 4〜3ヶ月前 / 期間 4〜6週

  • 坂道でのバウンディング・ヒルスプリンギングで筋持久力を強化
  • フォームと着地が整い、ケガ予防にもなる
  • 一人でも、近所の坂や階段で完結する

📖 フェーズ2:坂を取り入れる理由(理論編)
🆕 ヒル・スプリンギングの実践(市民ランナー向け4週プログラム)

フェーズ③ 無酸素期:「3/4の努力」でレース後半に粘れる脚を作る

目安:レース 3〜2ヶ月前 / 期間 3〜4週限定

  • 400m × 12本 / 800m × 6本 / 1000m × 5本など
  • ポイントは「3/4の努力」で乳酸に慣れること。全力ではない
  • 期間限定(3〜4週)で集中投下、ダラダラ続けない

🆕 3〜4週間で無酸素能力を上げる正しいやり方

フェーズ④ コーディネーション期:「鍛える」から「整える」へ

目安:レース 2ヶ月前〜3週前 / 期間 4〜6週

  • レースペース走 16〜21km、30kmロング走(ペース段階式)
  • テンポ走はマラソンペース −20〜30秒/km(旧来の「-10〜15秒」は閾値に届かない)
  • シャープナー(100〜150m全力 × 12〜20本)を導入
  • 3000m / 5000m / ハーフマラソン TT で実力を可視化

🆕 「鍛える」から「整える」へ正しく移行する4〜6週間

フェーズ⑤ テーパリング期:「休みすぎ」も「追い込みすぎ」も失敗する

目安:レース直前 / 期間 2〜3週

  • 走行距離を段階的に削減(70% → 50% → 30〜40%)
  • シャープナーは最終週まで継続。スピード刺激を落とさない
  • 「テーパー・タントラム」(不安感)は正常反応。追加練習しない

🆕 「休みすぎ」も「追い込みすぎ」も失敗する、リディアード式3週間の正解

ぼっち練だからこそ、リディアード式がハマる

練習会に毎週行けるエリート市民ランナーなら、「今日はみんなと10km走ろう」で済みます。

でもシフト勤務や育児や仕事で、ひとりで走らざるを得ない市民ランナーは、毎回の練習を自分で決めないといけない。ここで迷うと、結果として「いつも同じ練習」「気分で内容を変える」になり、伸びません。

リディアード式は、この弱点を完全に解消します。

  • 今が何の時期か が決まっている → 今日やるべきメニューも決まる
  • 次の時期は何をするか が決まっている → 計画的に強くなれる
  • どのフェーズで何を伸ばすか が決まっている → 「結果が出ない理由」が分かる

私自身、バス運転手のシフト勤務でひとり練習を続け、静岡マラソンで2時間42分を達成しました。週に何回走れるか分からない生活でも、期分けがあれば「今やるべきこと」は揺らがない。

6ヶ月のぼっち練を支えた道具たち

リディアード式は特別な道具がなくても始められます。ただ、6ヶ月間ひとりで練習を続けてみて「これがなかったら回らなかった」と思うものが3つだけあります。

まとめ:走力は「順番」で伸びる

リディアード式の本質は、根性論でも才能論でもなく、順番の科学です。

  1. 土台(有酸素)
  2. バネ(ヒル)
  3. 上限(無酸素)
  4. 統合(コーディネーション)
  5. 仕上げ(テーパリング)

この順番を守れば、市民ランナーでも、ひとり練習でも、確実に走力は伸びます。

「Train, but don’t strain」──鍛えよ、ただし無理するな。

リディアードのこの哲学が、半年間あなたの背中を支えてくれます。

実走データで確かめたい方へ

私が静岡マラソン(サブ2:42達成)に向けて実際に踏んだ6ヶ月分の月別メニュー(距離・ペース・週の構成)と、走力別ペース換算表(サブ2:42/サブ3/サブ3:30)をnoteにまとめています。

【実録】バス運転手がサブ2:42を出した、静岡マラソン6ヶ月メニュー(note)

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