有酸素の土台に“スピードの屋根”を──リディアード式・インターバルトレーニングの実践
「インターバルって、しんどいよね.」
僕もそう思っていました。きついメニューを何本もこなして、ヘトヘトになるやつ。
でもリディアードの本を読んで、実際にやってみたらイメージがガラリと変わりました。リディアード式のインターバルは、感覚重視で、自分の身体との対話を大切にする。
タイムやトラックに縛られず、「乳酸が溜まってきた」「フォームが乱れてきた」など、自分の内側の声を聞きながら行うスタイルなんです。しかも、この時期のインターバルは「仕上げ」ではありません。
有酸素期で作った土台をベースに、無酸素能力を“上積み”するための準備段階なんです。有酸素期がうまくいっていなければ、その効果は半減。
だからこそ、焦らず丁寧に積み重ねることが大切です。今回は、リディアード式トレーニングの“インターバル期”について、
- その理論的な背景
- 市民ランナーとしての実践法
を、僕の経験を交えながら紹介していきます。
【理論編】なぜ「インターバル」が必要なのか?──マラソンを支える無酸素能力
リディアードのトレーニングの中で、インターバル期(無酸素期)は「有酸素の土台の上に、スピードの屋根をのせる」ようなイメージです。
僕のコラムではカツ丼のカツを作る作業。
この時期の目的は、「レースペースで効率よく走り続ける力」を養うこと。
✅ インターバルトレーニングの目的と効果
- 最大酸素摂取量(VO2max)の向上:心肺の限界を押し上げて、レースペースの余裕度を高める。
- 乳酸閾値の向上:乳酸が溜まりにくい身体をつくり、後半の粘りを支える。
- フォームの洗練:速い動きの中で効率の良い動作を繰り返すことで、走りの経済性が上がる。
- 速筋の動員強化:普段のジョグでは刺激されにくい筋線維を活性化。
- スピード持久力の向上:マラソン後半でも“落ちない走り”を可能にする。
この時期も、有酸素ベースのジョグやロング走は継続。週1〜2回のインターバルと併用します。
そして何よりも大事なのが、このフェーズは“仕上げ”ではないということ。
あくまでも「有酸素期で積んだ走力に上積みする段階」であり、土台がしっかりしていないとインターバルの効果も限定的です。
焦らず、でも確実に。ここから一段、レベルアップするためのステップです。
【トレーニングの種類と方法】
● ペースと感覚の考え方
- ペースはマラソンペースより少し速いくらい。
- 最後までペースを落とさずに走り切れる強度が理想。
- 感覚の目安:「フォームが崩れてきた」「脚が上がりにくい」「乳酸がたまってきた」と感じたら、やり切ったサイン。
● 距離と回数の目安
- 疾走区間の合計距離が5000m前後になるのが理想。
- 例:400m×12本、800m×6本、1000m×5本
- 僕が最初に始めたのは「400m×12本」でした。無理なくできる範囲から少しずつ慣らしました。
● レスト(回復区間)の考え方
- 走った距離と同じくらいの距離をジョグで戻るのが基本。
- 一般的な「1000m×5+レスト200m」では短すぎ。リディアード流ではレスト多めです。
- ジョグで戻りながら心拍を整え、フォームをリセットするイメージ。
● 練習時間の目安
- ウォームアップ・クールダウンを含めて60分前後。
- インターバル自体は20〜30分程度で完結させる意識。
タイムに縛られる必要はありません。
僕自身は陸上トラックで行っていますが、トラックがなくても、河川敷や公園の直線でも充分できます。また、走っている最中はタイムを気にしませんが、走り終えた後に時計で確認するようにしています。これは、ペース感覚の精度を磨くためです。
【実践編】僕がやったこと──感覚重視&ぼっち練でやってみた
インターバルを始めたばかりの頃は、とにかく「キツイ」「追い込む系の練習」というイメージが先行していました。
でも実際にやってみたら、全然違いました。
- 「トラックじゃなくてもできる」
- 「タイムを見なくていい」
- 「走った本数も感覚で決めていい」
この自由さが、僕にはすごく合っていました。
僕は400m×12本を、自宅近くの河川敷や陸上トラックでスタート。
- 疾走400m(感覚的にマラソンより20秒/km速め)
- ジョグ400mで戻る
- フォームが崩れてきたらやめる
というシンプルなやり方で進めました。
感覚重視なので、ぼっち練との相性が抜群です。
誰かに合わせる必要もなく、自分のペース・タイミング・距離・本数、すべて自分でコントロール。
「今日は8本でいいかな」「いや、あと2本いけそうだ」と、自分の身体と相談しながら進めていくのが楽しくて、むしろ“遊び”のような感覚でした。
そしてこのフェーズを終える頃、確かに「一段上のスピード領域」に身体が順応してきた実感がありました。
【まとめ】
- インターバル期は、有酸素で作った土台にスピードを“上積み”するフェーズ。
- タイムや本数に縛られず、感覚を重視して行うのがリディアード流。
- 疾走距離はトータル5000m前後、レストは多め、ぼっち練との相性◎。
- 陸上トラックでも、公園でもOK。タイムを見ずに走って、あとで時計をチェックすれば十分です。
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“土台があってこそ光るスピード”、一緒に手に入れましょう。